1990年代後半に展開した国際的な業界再編が一段落し、国内自動車産業はトヨタ、ホンダの国内資本の強さが目立ち、2強を形成しています。
また、ルノー傘下にある日産はリストラを早期に達成し、マツダと三菱も復調してきました。
ただ、日産のV字型回復は人員削減、工場閉鎖などリストラと財務内容の改善効果が大きく、自動車の販売面から見るとやはりトヨタやホンダの2強状態にあるといえます。
このところの自動車販売の特徴はスモールカーが好調であることです。排気量1300ccクラスのスモールカーはトヨタのヴィッツが人気に火をつけ、ホンダのフィットが追随、大ヒットしました。
ヒットの理由は価格が割安なこと、燃費効率がよいことであり、世界的に見ても最大の成長商品と言われています。
ビッグ・スクーターの人気が高まっています。国内のバイク市場は原付1種(原チャリ)の激減でピーク時の4分の1に縮小してしまい、ビッグ・スクーターがメーカーの収益を下支えしています。
600ccのシルバーウィング(ホンダ)、500ccのTMAX(ヤマハ)がこの市場を牽引しています。
キーワードは環境です。ハイブリッド車、EV(エレクトリック・ビークル)車、燃料電池自動車、直噴エンジンなど低公害車、低燃費車が実用化、もしくは実用化が急ピッチで進められています。
現況と並んでキーワードになってきたのが介護車です。高齢者、身障者向けに乗降しやすいのが特徴であり、1994年度の販売台数は4,238台に過ぎなかったのですが、2001年度には3万3784台に急増しました。