業界の再編成は一段落つきました。以前は王子、十條、本州、神崎、山陽国策パルプが割拠していましたが、1993年に十條と山陽国策パルプが合併し、続いて王子と神崎が合併して新王子製紙となり、さらに1996年に新王子と本州が合併して王子製紙となりましたが、日本製紙は大昭和製紙と持株会社「日本ユニパックホールディングス」を設立し、経営統合しました。業界は王子と日本ユニパックホールディングスとが対立する新二強時代に入りました。
紙の消費量は「文化のパロメーター」と言われているように、日本は紙の消費量・生産量ともに文化国家であることの要件を満たしています。近年の紙の需要の推移は以下に示す通りとなります。
期にわたり低迷していた用紙需要が1999年に回復し、日本製紙連合会は、「紙に関する限り、景気は底を打った」と回復宣言を発表しました。
紙・板紙生産量は1998年に5年ぶりに前年実績を下回ったが、1999年から情報端末や携帯電話用マニュアル本向けに需要が急回復しました。
2000年度は用紙が広告出稿の回復を受け、新聞用紙、印刷・情報用紙が増加に転じ、情報端末などのマニュアル本も引き続き好調となりました。
この結果、2000年度の紙・板紙生産量は過去最高を記録しました。
しかし、2001年度はIT不況により用紙需要が減少しています。また景気後退により企業の広告費減少を反映して、印刷・情報用紙も需要減に見舞われ、板・板紙の生産量は3037万トン(実績見込み)と前年度4.7%の減少となりました。このため各社は現地生産を含む東南アジア、中国での市場、需要開拓に力を入れるようにしています。